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最近は、日中の気温がだいぶ高くなる日があります。たぶん、25℃くらい。初心者かつ根性なしjoggerの私は、そんな日は無理をせずに3-4kmだけ走ります。いつもだいたい同じようなコースを走るのですが、あんまり走れそうにないなー、と思う時にはなるべく家から離れずに、一つのブロック内の道を端から順に一本ずつ行ったり来たりして、適当なところで帰路につきます。ヒーヒー言いながら、さらに家まで沢山歩かなければならないなんて、考えただけでもゾッとしますから。昨日の夕方は空気がひんやりしていたので、「今日はいいかも!」と思い、8kmのコースを決めて家を出ました。家に近いコースだと「もういいか」といい加減なところで切り上げてしまいそうな気がしたので、最初からすこし離れたところまで走り、ある程度は走らないと帰って来られないような設定にしました。いつものように後ろから近づいてくる足音に追い抜かれ、joggerとrunnerの違いはやっぱり早さかしらね、12km走れても、ゆっくりだとjoggerかな・・・などと考えながら、それでもどうにかこうにか約1時間で、走り終えました。やったー!レースまでに10kmは(一度でいいので)走っておきたいな、と思っています。最後の2kmと坂道は、火事場の何とやらで乗り切る予定です。
もうすぐ次のレースです。サボり気味ではありますが、それでもちまちまとジョギングしています。先日、ついに10km走りました。そんなに長く走ったのは初めてです。暑い日ではなかったけれど真っ昼間だったので、すれ違うのはバギーに乗せられた子供達ばかり。さすがにこんな時間にはみんな走らないのね、と思いながらてってってっと走ること85分。いやー、できたできた。後から少々膝が痛くなりましたが、レースに向けて自信になりました。当日はキビシイ坂が待ち受けている訳ですが、途中で棄権せずに走りきれたらいいな、と思います。
Bay to Breakersの始まりは、1912年です。そのさらに6年前の1906年4月18日午前5時13分、サンフランシスコは大地震に見舞われ、地震後に発生した火事も手伝って、街は壊滅的な被害を受けました。サンフランシスコ市民は、その悲惨な状況から立ち直るために街の再建に着手すると同時に、市民の士気を高めるために新しいイベントを考え、その一つがサンフランシスコ横断マラソンでした。記念すべき第一回大会の出場者は200人足らず、優勝タイムは44分10秒。年々、生粋のランナーのみならず、仮装で参加する人達が増え、今やサンフランシスコを代表するマラソン+仮装大会に成長したというわけです。
1986年には110,000人が参加するレースとして、ギネスブックにも載ったそうです。今回、私は走るだけで精一杯だったので、写真はほとんど撮れませんでしたが、人気の仮装は、エルビス・プレスリー、海賊、ナイトガウン姿(女性の場合、プラス頭にカーラー)、マクドナルドのキャラクターなどなど。裸のおじさんも何人か見かけましたが、可笑しいのは、それでもサングラスに黄色いキャップ、足元はジョギングシューズだったりするところです。沿道で演奏しているバンドも多数でした。
ゴール地点にもなっているゴールデンゲートパーク内では、レースを観戦するグループや家族連れが多くいました。お弁当を広げながら、次々と目の前を通っていく仮装行列を観る、というのが正しいBay to Breakersの参加方法かもしれません。
実際、このレースはなかなか大変でした。12kmを走り切ること以外にも、大変な点がいくつかありました。第一に、朝8時スタートであること。8時にスタートラインに立っているためには、どんなに遅くとも6時31分パルアルト発のBay to Breakes専用特別列車(カルトレイン)には乗らなくてはなりません。ということは6時には家を出たい。そのために、1週間前から早起きの練習をし、当日は5時半に起きて、前日準備したおにぎりを飲み込みました。次に、パロアルトから乗った特別列車。微妙にすし詰めです。東京のラッシュアワーと比べたらよほど余裕があるのですが、乗っている人たちが混んだ電車に乗り慣れていないためでしょうか。どうも、乗客同士の空間の取り方が悪く、バランスが取りにくいのです。しかも、乗車口近くに無理矢理乗り込んだため、手の届く範囲につり革やつかまるバーがなく、必要以上につま先で踏ん張った状態になりました。この特別列車は、本来パロアルトの先、11個の駅に停まってからサンフランシスコへ行くはずだったのですが、運転手と車掌さんは、途中でこれ以上の乗客は乗れないと判断したのでしょう。7個めの駅で「この先はサンフランシスコ行きの急行列車になります。」とアナウンスして、突然急行列車に変わりました。えっ、残り4駅でこの電車を待ってる人達がいるんじゃないでしょうか??それは仕方のないことみたいです。
さて、7時26分にサンフランシスコ駅についてから、スタート地点まではMUNI(路面電車)に乗って行く予定でした。が、そんな電車は見当たらず。みんなぞろぞろと歩いています。ふーん、そんなもんかと歩き始めたのですが、これが結構な距離。スタートラインの周りは交通規制されていて、決まった道からでないと入れないのです。そのスタートラインへ入るための道の入り口にたどり着いたのが8時でした。ふう〜。もう2.4km歩いたっていうのに、まだスタートラインにもたどり着かないよ。
スタートゾーンの入り口からスタートラインまでは300mほどなのですが、まさに初詣の混雑ぶり。このエリアでは、毎年非公式にトルティーヤ投げが行われているそうです。確かに頭上にはトルティーヤが舞い、ジョギングシューズの裏にもトルティーヤがくっつき、時々剥がしながら前進しました。スタートラインにたどり着いたのは8時22分すぎ。そこからは周囲の人も走り出しました。コースの左側はランナー、右側は歩く人と大まかに決まっていて、コースの左端1/6くらいは走っている人が多くいました。あくまで大まかになので、左側にも歩いている人はいて、避けて走るのがちょっと大変でした。まぁ、高速ランナーにとったら、のろい私を避けるのも歩いている人を避けるのも、同じように大変だったってことですね。1kmくらいのところで、沿道に立つ夫や友人達と再会し、Tシャツの上に着ていたフリースを預けて再出発しました。まだ、1km/12kmですよ。
レースは車道を封鎖して行われます。朝から昼まで、サンフランシスコを横断する大通りをこのレースのために確保するのは、相当大変なことなんじゃないでしょうか。それだけでも、いかにこのレースが市民に愛され、大切にされているか分かるような気がします。ここはまだ2.5kmくらいで、道もほとんど平ら。スタートしてから約23分。1kmのところでみんなと写真を撮ったりして5分くらいは使ったから、悪くないペースです。
3km付近からすこーし道がのぼり始めて、はるか先に見える坂も人でぎっしり埋まっていました。歩道の方が少し空いていたので、坂の途中から歩道を走りはじめました。私としては間違いなく走っていたのですが、歩道にいて何の違和感のない移動速度だったろうと思います。この坂、本当にひどい坂なんですよ。ここで暮らしている人がいるっていうのはどうなんでしょうか?この坂の途中あるいはてっぺんに居を構えるっていうのは、すごく勇気のいることですよね。でも住民の方々が外に出て応援してくれているんですよ。ホントに住んでる人がいるってことですね。スゴイ。ちなみに、走っている最中には、そんなことを考える余裕はこれっぽっちもありませんでした。
歩道を走っていたので、坂の上にたどり着いた時には、コースに戻れなくなっていました。振り返ると、サンフランシスコの街とランナーに埋め尽くされた坂が見えたので、それをカメラに収めたつもりだったけれど、ヘロヘロの私に撮れたのは、コースと歩道を隔てる柵だけだったみたいです。
その後もゆるゆると坂道を走り続けてGorlden Gate Parkに入り、この辛さ加減からいったら、もう8kmくらいは走ったんじゃないか?と思っていたところ、前方に距離表示らしき垂れ幕を発見。
さすがに10kmは走っていないよね、などと考えながら近づいてみると、なんと!「4」ですよ、「4」。さすがにkmではなく、mileでしたが、それでも6.4km、ようやく半分をすこしばかり超えたところではありませんか。レース中、最も辛く感じた瞬間です。
時計を持っていなかったので、時間の記録のために距離の表示を写真に収めました。4mile(=6.4km) 9時17分、5mile(=8km) 9時30分、6mile(=9.6km) 9時43分とこの辺は時速7.4kmくらいで走っていたようです。4mile以降はほとんど平ら、5mileすぎから太平洋に向かって下り坂になります。もういい加減7mileの表示が出て来てもいいんじゃないか?と思っていた矢先、道の先に太平洋の白波が見え、海からの冷たい風がびゅーーーっと吹いてきました。
いやー、やっとここまでやって来ましたよ。思えば遠くに来たもんだ。最後は海岸に平行した数百メートル。ゴールと思しきあたりには、オレンジ色の風船がなびいていて、それが少しづつ大きくなって、あぁ、やっとゴール出来る、と嬉しさがこみ上げて来るんですねぇ、ちゃんと。ゴールまであとほんの数十メートルというところに来て、ゴール下に表示されている1:50:@@というような数字が目に入りました。突然、2:00:00以内にゴール出来るかもという考えが頭に浮かび、なけなしのダッシュ!やったーっ、間に合ったかもーー!!
ん、あれ?私がスタートしたのは8時ちょうどじゃないんだから、あの時間と私のタイムとは何の関係もないんじゃん?何に間に合ったってんだ、わたし???