3月最初のお茶のお稽古に持参したのは、道明寺。道明寺粉というものを手に入れて、張り切って作ってみた。作り始めてから、はて、道明寺ってどんな食感のものに仕上がればいいのか知らないぞ、ということに気付いた。東京出身の私にとって、道明寺はなじみが薄い。桜餅といえば、ピンクの薄皮にこしあんが包まれた桜餅だ。とはいえ、あんこを15個も丸めて、道明寺粉に水と砂糖を混ぜてしまったあとだし、手順を信じて続けるしかない。
葉っぱが大きかったのと、さっと食べられるよう少し小さめに作ったのとで、葉と中身のバランスが今ひとつだが、見た目は一応道明寺。桜の葉の香りが道明寺らしさを引き立ててくれている。加えて十分美味しかった。
先週のお茶の稽古には、浴衣+半幅帯という気軽な格好で出掛けた。
湿度が低く、夏でもさわやかなベイエリアではあるが、暑い日は暑い。加えて、炭で火をおこして釜で湯を沸かすお茶室は室温が上がるし、その釜のそばに座って点前をするとなれば、物理的な暑さに加えて、緊張に伴って自ら発してしまう熱で暑いったらない。
この浴衣は、この春初めて自分で縫ってみたもの。縫ったり解いたり、少々試行錯誤を繰り返したし、ちょっとなぁ、という部分もあるのだが、細かいところに目をつぶれば、袖を通せる形になった。浴衣が地味なので、帯でアクセントをと、半幅帯も自作した。地元の手芸屋さんで、こっちかな、いやいやこれも捨て難い、と迷いながら生地を選ぶのは、とても楽しい時間だった。リバーシブルにしたので、次の機会には、反対側の黄色を試してみよう。
2014年の目標の1つは、ハーフマラソンを走ることでしたが、もう1つ、着物でお茶会に行く、というものがありました。10月26日(日)に、パロアルトから25kmほど南下した街、サラトガの箱根ガーデンで開催されたお茶会に、お稽古仲間と二人で参加しました。はい、着物で。
<注:素敵な後ろ姿、我々ではありません。>
このお茶会は、毎年箱根ガーデンが主催し、サンフランシスコ近郊の各流派が一同に集まって開催されます。茶室、和室、東屋などを利用して、今年は裏千家3席、表千家2席、武者小路千家・江戸千家・代日本茶道会各1席、合計8席が設けられていました。このうち、私達は、裏千家の薄茶、表千家の濃茶と薄茶、武者小路千家の立礼での薄茶の席に伺いました。初めてなので、友人と二人一緒の席に入りたかったのですが、2席しか一緒になることが出来ず、残り2席は、見知らぬ先輩方に助けていただきながらの参加でした。
茶碗や道具に世界各国のものを集めた席、美しいお菓子の席、秋の七草がテーマの席、東南アジアからの道具でまとめられた席とそれぞれに工夫がこらされていて見て楽しく、お菓子もお茶も美味しく、どの席でも心のこもったおもてなしを受け、和やかな時間を過ごしました。参加されている方々の多くは日本人、または日系人でしたが、そうでない方々もいらして(2割くらいでしょうか?)、女性も男性もきちんと着物を着こなしていらっしゃるのには驚きました。特に男性の参加者は、ほとんどが日本人ではない方々でした。恐らくアメリカ人だと思いますが、出身がアメリカ以外の方もいらっしたかもしれません。
前日は久しぶりにまとまった雨が降り、当日の空模様を心配しましたが、朝からすっきりとした青空が広がり、少しひんやりした空気は、着物での外出にピッタリでした。
2月だというのに、最高気温24℃。
暖かいを通り越えて、暑い、暑い、暑いよ!
暑くても2月だから、お茶のお稽古は、お客様を暖かくもてなす冬仕様。いくら暑いからと言って、単衣の涼しげな着物を着て出掛けるのはためらわれる。しかし、汗っかきの私のこと、湯気のたつ釜のそばでは、汗だくだくになるのは目に見えている。困った。
ふと気付いて、手持ちの袷の着物の裏を上半身だけ外して、胴抜きの形にしてみた。
着ている姿は袷に見え、背中は生地が一枚になるので、ちょっとは涼しいのではないかと。
さらに、着物の下も長襦袢ではなく、半襦袢+裾よけにして、汗をかいても洗える格好にして出掛けてみたところ、お点前の最中、額に汗することなく、大変いい具合であった。
唯一残念だったのは、この着物が全く似合わなかったこと。あーぁ。とはいえ、汗をかきながら不快に思うよりは、はるかにまし。暑い日には、これで行きます。