渡米して2年間、クローゼットの一番奥につり下げたまま、まったく出番のなかったフォーマルウェアに袖を通す日がやって来ました。この半年間、一緒に英語のレッスンを受けていた友人が、結婚式に招待してくれたのです。この友人ご夫婦、昨年日本で婚姻届を提出した後、式も披露宴もしていなかったので、帰国を前にこちらの教会で結婚式を挙げることを決めたそうです。
式はサンフランシスコからゴールデンゲートブリッジを渡ってすぐの小さな港町、サウサリートの住宅地の中にあるこじんまりとした教会で行われました。周囲の自然にとけ込んだたたずまいの、窓ガラスのシンプルな格子が印象的な教会です。
新郎新婦は、牧師さんと20人ほどのゲストに見守られる中で指輪の交換をし、オルガンで演奏された結婚行進曲と
ゲストの拍手に包まれて、とても嬉しそうでした。引き続き、近くのレストランで行われた昼食会は、お二人の人柄の溢れる和やかな会で、私たちも他のゲストの方達とともに楽しい時間を過ごしました。
この日、私は新婦の友人としてスピーチ(日本語)をするという大役を仰せつかっており、そのことで頭が一杯だったためか、なんとカメラを持たずに出掛けてしまいました。あぁ、痛恨!その分しっかり、新郎新婦の姿を脳裏に焼き付けたつもりですが、やっぱりちょっと残念です。
お土産にテーブルフラワーを戴きました。その中のヒアシンスが、今も優しい香りを部屋に漂わせていて、可愛らしい新婦の姿、仲良く並んで微笑む新郎新婦を思い出させます。お二人は今まさに、日本に向かう機上の人。どうぞ、末永くお幸せに。