研究開発力強化法

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溜池通信で知ったのですが、今年の国会で「研究開発力強化法」という法律が成立したとのことです。

全然知らなかったんですが、今国会では、「研究開発力強化法」という法律が成立していたんですね。アメリカや中国で先行している「研究開発システム改革」の動きを踏まえて、日本独自の制度改革を目指したもの。理数教育の強化、人材の流動化、研究資金の戦略的配分などが盛り込まれている。例えば研究予算は、日本ではご多分に漏れず、単年度主義に制約されるのだけれども、これを柔軟に運用することができるようになった。この法律が議員立法により、参議院から発議して、超党派で成立していた。当たり前の話ではあるが、「ねじれ国会」においても、まともな法律は成立するのである。

溜池通信:かんべえの不規則発言:7月2日

正式名称は「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律」というらしい。こちらで概要を、こちらで全文を参照することができますが、インパクトをイメージできるのは第二十九条でしょうか。

第二十九条 国、研究開発法人及び国立大学法人等は、国の資金により行われる研究開発等の効率的推進を図るため、国の資金により行われる研究開発等において、研究開発等に係る経費を翌年度に繰り越して使用することその他の会計の制度の適切な活用を図るとともに、その経理事務の合理化を図るよう努めるものとする。

衆議院:議案本文情報一覧:提出時法律案

いずれの条文も抽象的で具体的な変化を予測するのは難しいのですが、「日本の科学」という巨大タンカーの操舵室は、今後この法律を頼りに舵を切って行くはずなので、一度目を通しておく必要があると思います。

July 15, 2008