額面50円=0%?
市場には、投資家と、投機家がいる。
市場には、狼狽する者と、狼狽しない者がいる。
マネックス証券から教わってきたことを実際に目にすることのできた、この数日であった。
特に注目したのが、マネックス証券がライブドア関連株の信用取引における担保掛目を80%から0%に変更した後の反応である。当初、この変更を行ったのが1社だけであったので、体よくスケープゴートにされた感もある。
僕が疑問に思うのは、10%でも20%でもなく、0%にした根拠である。整理ポストにも入っていない、上場中の株券は、少なくとも額面通りの50円の価値はあるのではないだろうか?根拠のある0%なら、教えてほしい。
一方、古くから「市場は美人投票である。」と言われており、マネックス証券の言う通り、「それほど影響があったとは考えづらい」ことを証明するのは困難であろう。
だが、各社が独自の判断をしたからこそ、「マネックス証券を許さない」自由が存在することを忘れてはいけない。次に向けて整備すべきなのは業界側の統一見解ではなく、証券取引所の定めるルールの整備であろう。
信用取引の担保
担保として株券を差し入れる場合、価格変動のリスクを考慮し、直近の株価に対して一定の評価率をかけた金額が担保と見なされる。評価率は上場銘柄は80%などと、証券取引所が上限を定めているが、上限を超えなければ証券会社の独自ルールで変更することが可能だ。
— 日本経済新聞2006年1月20日朝刊3面
担保掛目の変動幅に制限を設けることなどが可能であろう。今回、ストップ安の仕組みが機能しているように。
p.s.
しかし、新聞の見出しにある「偽計の全容判明」。たった3日で、誰が全容を明らかにしたのだろうか。主語がなくても成立する日本語のなせる技である。