Stay Hungry, Stay Foolish.
「驚く能力」が大切なのは学者に限らない。独創的なことを成し遂げるために必須の能力である。
見学者がPARCの技術に驚いたのと同じくらい、テスラーはアップルの人々に驚いた。
ラリー・テスラーは、PARCでさまざまな人にデモを見せた経験があったが、アップルのメンバーは別格だった。「すごいと思いました」とテスラー。
「ゼロックスに7年いましたが、ゼロックス社員、訪問者、大学教授、学生・・・だれからもあれほど鋭い質問をされたことはありませんでした。隠れた意味合いまですべてを理解していること、細かい部分まで理解していることが、質問内容から逆に良くわかりました。
デモが終わるころ、私は、ゼロックスを辞めてアップルに行く気になっていました」後にテスラーは、本当にアップルに移籍し、バイスプレジデント兼主任研究員として迎えられる。
— スティーブ・ジョブズ 偶像復活, p.101-103
この見学者と説明者の両者の「驚き」がなければ、マウスとウィンドウという仕組みは、今もゼロックスの研究所の中だったかもしれません。
この夏、スタンフォード大学卒業式でのジョブズのスピーチ(英語・動画)大変話題になりましたが、この本を読んでジョブズの半生を知った後では、感銘の深さが違います。原書は5月発売ですから、スタンフォードの卒業生達は、この本を読んでからスピーチを聴いた訳ですね。そして、わずか5ヶ月で翻訳され日本語で読めるのも、たいへん幸せなことだとおもいます。
p.s. "Stay Hungry, Stay Foolish."の原典については、こちらで知ることができます。