GraphPad Prism
その前身InStatから愛用している、GraphPad社の医学・生物学分野にfocusした統計解析・グラフ作成ソフトウェア「Prism」がAppleのWebsiteで紹介されていました。
Prismは、生物学的データを統計処理しながら視覚化するのに必要なほぼすべての機能を持ち、かつ試行錯誤を重ねるのが容易なインターフェースを備えたソフトウェアで、いちど使ったら手放せなくなること請け合いです。そして特に優れているのが、科学的に適応してはいけないグラフ化・統計処理は適応できない仕組みになっている点です。
例1:折れ線グラフの折れ線の「傾き」は、変化量すなわち微分値を直感的に把握するための視覚化手法。そのためデータがx値、y値ともに連続変数の場合のみ折れ線グラフを描画することができます。
例2:student t検定は、同等の形状の正規分布をした2つのデータ間のみで適応可能という前提があります。そのため、まずF検定を行ってstudent t検定を選択することが妥当であるかを検証する必要があります。
Excelにも折れ線グラフやstudent t検定の機能は備わっていますが、そもそもが金融計算のためのソフトウェアであり、科学的に正しいかどうかは考慮されません。しかしPrismなら安心です。またPrismの開発者、カルフォルニア大学の薬理学者:H.J. Motulsky, M.D.による統計学の入門書は日本語訳も出版されており、こちらもおすすめです。
これを期にPrimsユーザーが増えるといいですね。