ギリシャを訪れて
夏休みにギリシャを訪れた。そこで最も興奮を覚えたのがアテネの中心にある「国立考古学博物館」である。
最初の展示室で目にとまった見事な金の装飾品、説明のプレートを見るとBC1600とある。BCである。3600年前。そこから膨大なコレクションを見ていくと、現代の生活でも使われている物が次々と登場し、そのデザインの基本形が既に完成されていることに驚く。最後の部屋に辿り着いてやっとBCとADの境目あたりであった。
これを子供の頃から眺めているギリシャ人の世界観は、まったく違うんだろうなと想像した。
- キリスト教とはかくも「新興の」宗教であったのか。
- キリスト教が発生する以前に、いかに高度な文明が既に確立されていたのか。
- それでも今日使われている単位は「西暦」である。
この10年で西の方からヨーロッパの国々を訪れてきた。そしてギリシャの地に立ってみて、キリスト教もイスラム教も存在する前の文明の中心地である、その東の地域への関心がむくむくと高まってきた。現代を理解するためにはそこから勉強する必要があると感じた旅行であった。