Global Warming

An Inconvenient Truth: The Planetary Emergency of Global Warming and What We Can Do About It

夏もクーラーは不要、と聞いていたPalo Altoですが、ここ数日は気温が35度を超えています。Heat waveに襲われているのだとか。ラボでは、「アル・ゴアの映画を観たか?」が合い言葉になっています。

アル・ゴアの映画とは"An Inconvenient Truth"(邦題「不都合な真実」)。地球温暖化についてのゴアの講演の様子に、なぜゴアが環境問題をライフワークにすることになったのかを回想するシーンが織り交ぜられたドキュメンタリーです。

講演では、温室効果ガスによる地球温暖の仕組みの解説に始まり、今日までの自然界の変化の様子、今後の予想と進みます。スタンフォードの人々にとって衝撃的だったのは、もしグリーンランドの氷が溶けたらサンフランシスコ周辺はどうなるのか、というシュミレーション画像。スタンフォード大学は見事に水没していました。

次は原因に対するアメリカの取り組みの現状について、すなわち一人あたりのCO2排出量でアメリカがダントツ1位であること、自動車の燃費の基準が、アメリカで一番厳しいカリフォルニア州の2016年の目標ですら、中国の現在の基準にやっと追いつくレベルであること、京都議定書を批准していないのはアメリカとオーストラリアだけであること、しかし多くの市町村が独自に批准している、などのInconvenientな事実が示されてゆきます。

最後は「われわれに何が出来るのか?」。アメリカはこれまでも不可能と思われたことを成し遂げてきた、フロンガスの問題はホワイトハウスはレーガン・ブッシュ父ー議会は民主党だったが解決できた、ときて

Now it is up to us use our democracy and our God-given ability to reason with one another about our future and make moral choices to change the policies and behaviors that would, if continued, leave a degraded, siminished, and hostile planet for our children and grandchildren – and for humankind.

I beleave this is a moral issue.

と結ばれます。

途中では、映画の形をした政治キャンペーンという穿った印象も浮かびましたが、観終わった後には、こういった題材の映画が広く上映されているというアメリカの健全さ・社会の成熟に対するうっすらとした感動が勝りました。

この映画は、地球温暖化について理解を深めるという目的に加え、プレゼンテーションについて学ぶという目的でも必見です。AppleのKeynoteで繰り出されるプレゼンテーションは極めて洗練されており、最小限のオブジェクトで確実にメッセージを伝える、その見本の連続です。まさに担当したDuarte Designという会社の、"Transforming words into pictures, making the complex simple."という標語の通りです。

そして映画の中でも、使い込まれたPowerBook G4が幾度となく、さりげなく登場して、これはAppleにとってもいい宣伝だなぁとおもったら、アル・ゴアはAppleの社外取締役(GoogleのSenior Advisorでもある – via Wikipedia)でした。

その後

大学の空調は中央から供給される冷水が温水になってしまいダウン。研究室の窓ガラスは開かない構造の上、室内では冷凍庫・冷蔵庫がフル稼働しているので、室温が外気温を超えました。水冷レーザーは停止せよとのお達しも。あとは停電しないのを祈るのみ。「ゴアの映画を観たか?」

July 23, 2006